「慢性痛に対する認知行動療法の実際」 慢性痛CBTのプレパレーションと導入

 慢性痛の研究をしている岩佐先生のオンラインセミナーを視聴してきた

 今回は第1回で、「慢性痛CBTのプレパレーションと導入」というテーマです

 少し前は慢性疼痛と言われてたけど、いつのまにか名前が変わったみたいですね

 わたし、慢性痛の患者さんは大学病院にいた時に見たことがあるくらいで、しばらく見る機会がないのですが、自分が触れることのない分野というのは期待を抱かないぶん勉強になることが多いので参加してみました

 またいつもながら重要点を書き残しておきます

  • 急性痛と慢性痛の区別は、痛みの期間ではなく、身体が生理的機能を正常なレベルへ回復させられるかです
  • 痛みは感覚と情動から構成されます 情動が含まれるところがポイントです
  • 慢性痛は統合失調症と同程度にQOLが低下します
  • 痛みをとるのでなく「痛み行動」をとります
  • 痛み行動によって患者役割をもつようになります
  • 慢性痛は「痛みが続いていること」以外の均質性が少ないです
  • そのため細かいモデルよりも大雑把なモデルが良いです

慢性痛の治療目標

  1. 仕事中の痛み憎悪をコントロールする
  2. 快活動を増やし活動範囲を広げていく
  3. 休まず出勤できるようになる などです

ペーシング 随伴性マネジメント

  • 痛みによって行動を決めないようにします
  • 時間で決めます(1時間ごとに休憩する、30分歩いて5分休むなど)
  • 「痛くならない程度に運動出来た」「痛みが強まりにくくなった」など目指します
  • 症状はメッセージです 薬で消すのは良くない
  • オピオイドは損傷がない場合には使うべきではありません
  • 慢性痛の患者は医師には痛みを無くすよう薬を求めることがあります
  • カウンセラーには求めないことが多く、カウンセリングに取り組んでくれます
  • 痛みの改善でなくQOLの改善を目指します
  • 患者はQOLの改善を喜べるかどうか、説明して聞きます
  • 具体的過ぎる治療目標は柔軟性を欠きます


 カウンセリングは全部そうだと思うのだけど、「治療目標の合意がとれるか」が重要になる。CBTの人はQOLの改善を重視しがちで、ケース発表を聞いてると主訴に行動目標が書いてあったりするけれど、クライエントからそう言ったのかと疑問に思うこともある。QOLの改善という治療目標をクライエントが納得できるかという話がでたのだけど、わたしも重要に思っていた所だったので興味深かった。ペーシングについては次回説明があるみたいだけど、「弱化子の出現を阻止する手続きをとることで標的行動を増加させること」、とかになるのかな?

 4回シリーズらしいので、また参加したら書いてみようと思います

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