「良い精神科医/心療内科医」を選ぶポイント

 精神科/心療内科へ通われている方は、「出来れば良いお医者さんに診てもらいたい」と希望されると思います。「良い医者とは治せる医者」ということは確かだと思いますが、精神疾患の治療は、その疾患に第1選択とされている薬物であっても効果には限界があり、このまま続けていいのかどうかと迷う方もおられると思います。精神科医の宮岡等先生が「主治医以外の意見を求めた方がよい時」という記事を書いておられますので、それを参考に「良い精神科医/心療内科医のポイント」について書いてみたいと思います

主治医以外の意見を求めたほうが良い時

初診時

  1. 初回から同系統の薬剤が2剤以上処方された時(抗うつ薬2剤、睡眠薬2剤など)
  2. 「自記式アンケート」の結果だけで診断しているかのような時
  3. うつ病症状(興味の消失など)だけ問診された後、「抗うつ薬を飲んで休養をとれば治る」と説明された時
  4. 薬剤の副作用について説明がない時。副作用はないと説明された時
  5. 夜間や休日は一切対応できないと説明された時
  6. 主治医が「精神科専門医」でない時
  7. 初診に40分かけないとき
  8. 睡眠薬を処方された時に、生活状況(昼寝)、嗜好品(コーヒー、お茶)、身体の不調を確認しない時
  9. ふらつきや転倒について注意しない時
  10. 過去の躁状態の有無を確認せずうつ病と診断し、抗うつ薬を開始された時
  11. 現在の症状ばかり尋ねて生活歴や長期経過を確認しない時
  12. 身体への薬剤(ピルを含めて)、現在飲んでいる薬を確認しない時

通院中

  1. 悪くなったというと薬がどんどん増える時
  2. 同系統の薬剤が3種類以上処方された時(抗うつ薬3剤など)
  3. 長期間精神療法やカウンセリングを受けているが改善しない時
  4. 新薬が出ると「この薬なら効くかも」とすぐ処方された時
  5. 医師が説明するのを拒否したり怒り出す、質問しにくいような雰囲気になる時

良い精神科医/心療内科医のポイント

 書かれていることを細かく、肯定的に書いてみます。あてはまらないと悪いというわけではなく、多くあてはまるほど良いお医者さんと思うと良いでしょう

予約前

  1. ネットやホームページで経歴がわかる
  2. 「精神保健指定医」や「精神科専門医」を持っている
  3. あなたの患っている疾患を専門に診ている
  4. 論文を書いたり学会発表をしている
  5. 学会や同業の研修会に参加している

初診時

  1. 初診は十分に時間をかけて聞いてくれる
  2. 症状以外も聞いてくれる
  3. 生活習慣、食習慣、生活環境に助言をくれる
  4. 今後の見通しを教えてくれる
  5. 悪いことも教えてくれる
  6. 初診では同系統の薬は1剤から始めて様子を見ている
  7. 薬物治療以外の選択肢ももっている

通院中

  1. 同系統の薬は2剤に収まっている
  2. やたら薬を変えたり増やしたりしない
  3. その医師にかかって良くなった知り合いを知っている
  4. 話しやすい
  5. 自分自身良くなったと思えている
  6. いざとなれば緊急で診てくれる

参考にされてください。

文献

主治医以外の意見を求めたほうがよいとき こころの科学 152 宮岡等