精神科/心療内科へ通われている方は、「出来れば良いお医者さんに診てもらいたい」と希望されると思います。「良い医者とは治せる医者」ということは確かだと思いますが、精神疾患の治療は、その疾患に第1選択とされている薬物であっても効果には限界があり、このまま続けていいのかどうかと迷う方もおられると思います。精神科医の宮岡等先生が「主治医以外の意見を求めた方がよい時」という記事を書いておられますので、それを参考に「良い精神科医/心療内科医のポイント」について書いてみたいと思います
Table of Contents
主治医以外の意見を求めたほうが良い時
初診時
- 初回から同系統の薬剤が2剤以上処方された時(抗うつ薬2剤、睡眠薬2剤など)
- 「自記式アンケート」の結果だけで診断しているかのような時
- うつ病症状(興味の消失など)だけ問診された後、「抗うつ薬を飲んで休養をとれば治る」と説明された時
- 薬剤の副作用について説明がない時。副作用はないと説明された時
- 夜間や休日は一切対応できないと説明された時
- 主治医が「精神科専門医」でない時
- 初診に40分かけないとき
- 睡眠薬を処方された時に、生活状況(昼寝)、嗜好品(コーヒー、お茶)、身体の不調を確認しない時
- ふらつきや転倒について注意しない時
- 過去の躁状態の有無を確認せずうつ病と診断し、抗うつ薬を開始された時
- 現在の症状ばかり尋ねて生活歴や長期経過を確認しない時
- 身体への薬剤(ピルを含めて)、現在飲んでいる薬を確認しない時
通院中
- 悪くなったというと薬がどんどん増える時
- 同系統の薬剤が3種類以上処方された時(抗うつ薬3剤など)
- 長期間精神療法やカウンセリングを受けているが改善しない時
- 新薬が出ると「この薬なら効くかも」とすぐ処方された時
- 医師が説明するのを拒否したり怒り出す、質問しにくいような雰囲気になる時
良い精神科医/心療内科医のポイント
書かれていることを細かく、肯定的に書いてみます。あてはまらないと悪いというわけではなく、多くあてはまるほど良いお医者さんと思うと良いでしょう
予約前
- ネットやホームページで経歴がわかる
- 「精神保健指定医」や「精神科専門医」を持っている
- あなたの患っている疾患を専門に診ている
- 論文を書いたり学会発表をしている
- 学会や同業の研修会に参加している
初診時
- 初診は十分に時間をかけて聞いてくれる
- 症状以外も聞いてくれる
- 生活習慣、食習慣、生活環境に助言をくれる
- 今後の見通しを教えてくれる
- 悪いことも教えてくれる
- 初診では同系統の薬は1剤から始めて様子を見ている
- 薬物治療以外の選択肢ももっている
通院中
- 同系統の薬は2剤に収まっている
- やたら薬を変えたり増やしたりしない
- その医師にかかって良くなった知り合いを知っている
- 話しやすい
- 自分自身良くなったと思えている
- いざとなれば緊急で診てくれる
参考にされてください。
文献
主治医以外の意見を求めたほうがよいとき こころの科学 152 宮岡等