気分の落ちこみへの専門的カウンセリング

 気分の落ち込みや物事への億劫さなど、ストレスや抑うつ症状に対するカウンセリングは、当ルームで力を入れているものです。

 ここでは抑うつ症状で悩まれる方の特徴と、当ルームのカウンセリングではどんなことをするかについて書いてみます。

自分を責める、自分に厳しい

 自分を責める、自分に厳しい、自己評価が低い、自信がないなど、抑うつ症状の高い方には、自分に対する捉え方に特徴が見られます。自己評価が低いと人からの評価も気になるため、人といると強い不安を感じたり、人のいる場所を避けるようになる方もおられます。自分が周りに適応できていないように思うと、「自分は迷惑をかけている」と周りへの影響が気になったり、強くなると加害的な思い込みをもたれる方もおられます。

 うつ病の認知療法を開発したベックは、「自分」「環境」「将来」への悲観的な考えをうつ病の人の特徴としてあげました。抑うつ状態というのは意欲が低下した状態ですので、これまでの出来ていた自分と比べて出来なくなるものなのです。

 抑うつ状態にある時のエネルギ―量と、自分に求める基準の高さはあいません。その場合自分に求める基準の方を下げる必要がありますし、これが抵抗なく下げられるほど回復が早いように思います。基準を下げるというのは自分の意思と矛盾したことですので、カウンセリングなど他人との話し合いが重要で役に立ちます。これは言い換えると「自己受容」と言えますが、永遠にそのままなのでなく、「健康になるために、一度自分の状態を受け入れる」というような、一時的な目標として取り組まれるといいように思います。

思い詰める

 「どうにもならない」「自分にはどうにもできない」極端には死ぬしかないと思いつめる方もおられます。これは脳の機能が低下して頭が働かなくなっており、他の選択肢が考えられなくなっている状態であって、出来事が実際に深刻な場合というのは少ないように思います。少し時間を置いてみると、「それほどでもない問題だった」と思われる方が多いです。このような状態になっている場合は、「自分の視点から離れる」ということが重要です。ストレスを感じている環境から離れてしまうと楽になりますし、認知療法など、思考を柔軟にするカウンセリングも役に立ちます。
 認知療法では、「出来事自体はそこまで問題ではないけれど、それをどう評価するかによって気分が大きく落ち込む」と捉えます。しかし中には本当に深刻な問題に直面している方もおられます。家族の協力をうけたり、カウンセリングで協力したりして、何とか乗り切っていくこともあります。

活動しすぎる

 体と脳は、使い過ぎると必然的に機能が低下してきます。活動し過ぎの基準は、「他者と比べて仕事をし過ぎている」、などの客観的な基準もありますし、「機能が低下している現在の自分の状態に対しての活動量の多さ」など個人内の基準もあります。自分にとって悪い出来事に限らず、結婚や出産、昇進などの好ましい出来事でも、使われるエネルギー量の観点からするとストレスになることは有名な話です。

 職場や人間関係の変化など、その人が本来備えている能力とあっていない環境に入ることで抑うつ症状の出る方もおられますが、これもエネルギーを使い過ぎている状態にあると言えます。このような場合、環境を変えたり、スキルを身に付けたり、生活をシンプルにすることで、エネルギーを使わないでいいようになり適応していかれます。環境を変えて良くなるならそれが一番いいのですが、それが難しいことも多いです。その場合はカウンセリングを利用して、その環境への適応を目指していくことが必要になるように思います。

 活動し過ぎて動けなくなっている時は休むことが必要になりますし、活動し過ぎになりやすい方(強迫的な方や完璧主義的な方)であれば、休息をスケジュールしていくことが必要となります。しかし、「自分で作ったルール」というのは頑張るほうには守らない傾向が強いものです。「カウンセリングで決めたとおりに過ごしてみて、その結果健康でいられた」ということを実感されることが役に立つように思います。「1日で100%力を発揮してその後1日寝込む」よりも、「1日60%の力で1週間活動できる方が総合的には活動できている」くらいに思えるようになるといいように思います。これはエネルギーが低下している状態ではとても重要なことです。

 スケジュール通りに過ごすというのは、活動し過ぎで抑うつ状態になっている人が、「あえてゆとりのあるスケジュールで生活することで結果的に健康に過ごせる」、という体験を積むことを目的とすることもありますし、抑うつ状態で物事がおっくうになっている人が、「達成感を得て自発的な活動を取り戻していく」ことを目的とすることもあります。この辺の、多様な抑うつ状態がどのように維持されているのかの仕組みの理解と手段の適格さが、カウンセラーの専門性になるように思います。

先延ばし

 意欲低下が起きるとエネルギーが必要な活動はしなくなっていくので、極力動かない生活になっていきます。また、活動の後に強く疲労した経験をしたことで、活動に対しての負担を強く評価しやすくなり、その結果動かなくなっている人もおられます。治療を受けてすでに脳や身体のエネルギーは回復しているけれど、この思考と行動の習慣が残っていて、一定以上改善しなくなっている時もあります。このような状態の時は、お薬での治療も停滞してしまいます。頭も体も動かないほど重篤な状態では休むことが重要ですが、エネルギーが回復するに合わせて徐々に活動量を増やしていくことが必要なのです。

 先延ばしというのは意欲低下から最も影響を受ける特徴と言えます。経過が長い方の中には、職業など社会的な役割を失ってしまっていたり、社会復帰する必要がなくなってしまっていることで改善が長引いている方もおられます。「病気だからできない」「きつくなるのでしないほうがいい」などのルールが出来ていたり、活動への負担を高く見積もる傾向によって動かなくなりやすいです。そして放っておくと長期的な経過になりやすい問題でもあります。この場合もカウンセリングや対人的な支援が必要になるように思います。

 外に出ない、人と会わない、などが続くと外部の刺激に弱くなっていきます。寒さや暑さなど温度がストレスになるのは有名な話ですが、刺激に弱くなると、光や音などもストレスになるのです。この場合刺激に強くなるために活動を増やしてもらうこともあります。しかし疲労しやすさも抑うつ症状の特徴としてありますので、どの程度の活動をするかは個人差が大きく、カウンセラーがついて、計画的に設定されるといいように思います。

 抑うつ状態にある人のカウンセリングは、カウンセラーとの会話を通して自分の基準から離れるプロセスだと思いますので、比較的多様なカウンセリングの方法が役に立つように思います。その中でも最も多くの研究によって、改善の効果が示されているものが認知行動療法で、認知行動療法は「行動活性化法」と「認知再構成法」が上に挙げた特徴に対応しています。

 極端に脳や身体の機能が低下した状態ではカウンセリングが困難な場合もありますので、お薬を飲んで意欲をあげながらカウンセリングに取り組まれる方もおられます。

 Trace高宮のカウンセラーは精神科/心療内科で勤務してきましたので、病院に通われている方の相談も受付けています。ぜひご相談に来られてください。メールには無料でお返事しますので、先に問い合わせをされてみてもいいです

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