うつ・適応障害のカウンセリング・認知行動療法
うつ病や適応障害に対するカウンセリング・認知行動療法はTRACE高宮で力を入れているものです。
うつ病や適応障害の方がカウンセリングに来られる経過としては、職場や学校、仕事や人間関係のストレスがあり、気分の落ち込みや不安、不眠に悩み、医療機関で診断がなされ、休職・復職のためにカウンセリングに来られる、または復職を前にして思いのほか良くなっておらず焦って来られる、治療を続けているけどもなかなか良くならずカウンセリングを受けてみようと思い来られる、という方が多いです
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適応障害とうつ病
適応障害とうつ病は、状態像(症状)だけを見ても区別が難しいのですが、エピソードを見ると違いがあります
適応障害
- 職場、学校、など明確なストレス要因がある
- ストレスから離れる、休職・転職・退職すると症状が改善する
- 休日元気になれる(必ずではない)
- ストレス反応のため症状は多彩、症状の規定は診断基準にはない
うつ病
- 明確なストレスがないことがある、ストレスはうつ病の原因ではない
- ストレスから離れてもすぐには反応しない
- 休日元気になるなどはない(日内変動、気分変動はある)
- 脳の機能低下、意欲低下が主な症状
抑うつ、不安、不眠など、症状や困りごととしては重なる部分が多いです。うつ・適応障害で悩まれる方の特徴と、カウンセリング・認知行動療法ではどんなことをするかについて書いていきます。
うつ・適応障害の特徴とカウンセリング・認知行動療法
自分を責める、自分に厳しい
「自分を責める」「自分に厳しい」「自己評価が低い」「自信がない」など、抑うつ症状の高い方には自分に対する捉え方に特徴が見られます。自己評価が低いと人からの評価も気になるので、人といることに強い不安を感じたり、人のいる場所を避けるようになる方もおられます。自分が周りに適応できていないように思うと、「自分は迷惑をかけている」と周りへ与える影響を気にしたり、加害的な思い込みをもたれる方もおられます。
うつ病の認知療法を開発したベックは、「自分」「環境」「将来」への悲観的な考えをうつ病の思考の特徴としてあげました。うつ状態というのは意欲が低下した状態ですので、これまでの自分よりも出来なくなるのが自然です。
うつ状態の時に残っているエネルギ―量と、自分に求める基準の高さは合いません。この場合、自分に求める基準の方を下げる必要があります。そしてこれが抵抗なく下げられると回復が早いように思います。基準を下げるということは、自分がこうありたいと願う姿と矛盾したことなので、自分一人では受け入れることが難しいものです。そこでカウンセリングが役に立ちます。言い換えるとこれは「自己受容」と言えますが、永遠に出来なくなるのではなく、「健康になるために、一度自分の状態を受け入れる」という、一時的な手段として取り組まれるといいように思います。
思い詰める
「どうにもならない」「自分にはどうにもできない」極端になると「死ぬしかない」と思い詰める方もおられます。これは脳の働きが低下して他の選択肢が考えられなくなっている状態であって、出来事自体が実際に深刻な場合というのは少ないです。少し時間を置いてみると、「それほどでもない問題だった」と思われる方が多いです。このような状態になっている時は、「自分の視点から離れる」ということが重要です。ストレスを感じている環境から離れてしまうと楽になりますし、認知療法など、思考を柔軟にするカウンセリングも役に立ちます。
認知療法では、「経験している出来事自体でなく、それをどう評価するかによって気分が大きく落ち込む」と問題を捉え、考え方を柔軟にすることで気分を和らげます。しかし中には本当に深刻な問題に直面している方もおられますので、ご家族の協力をうけたり、カウンセリングで協力して、何とか乗り切っていくこともあります。
先延ばし
意欲低下が起きるとエネルギーが必要な活動はしなくなっていき、極力動かない生活になっていきます。活動の後に強く疲労した経験によって動くことに恐怖を感じたり、活動に対しての負担を強く評価するようになっている方もおられます。治療を受けて脳や身体のエネルギーは回復しているけれど、この思考と行動の習慣が残っていることで、一定以上改善しなくなっていることもあります。このような状態の時、お薬での治療は停滞します。頭も体も動かないほど重篤な状態では休む他ないですが、エネルギーの回復に合わせて徐々に活動量を増やしていくことが必要です。
先延ばしというのは意欲低下から最も影響を受ける特徴と言えます。経過が長い方には、職業など社会的な役割を失ってしまったり、社会復帰をする必要がなくなることで回復が長引いている方もおられます。「病気だからできない」「きつくなるのでしないほうがいい」などのルールが出来ている方もおられます。このような状態が長いこと続いている場合、自然に良くなることは難しく、カウンセリングなど対人的な支援が必要になります。
外に出ない、人と会わない、などの状態が続くと外部の刺激に弱くなっていきます。寒さや暑さなど温度がストレスになるのは有名な話ですが、刺激に弱くなると、光や音、人の声などもストレスになります。この場合、刺激に強くなるためにリハビリ的に活動を増やしてもらいます。しかしまた疲労しやすさも抑うつ症状の特徴としてあるので、どの程度の活動が良いかは個人差が大きいです。カウンセラーがついて、計画的に設定することが役に立つように思います。
活動しすぎる
体と脳は、使い過ぎると必然的に機能が低下してきます。活動し過ぎの基準は、「他者と比べて」などの客観的な基準もありますし、「現在の自分の状態に対して」など個人内の基準もあります。悪い出来事に限らず、結婚や出産、昇進などの好ましい出来事でも、使われるエネルギーからするとストレスになります。
職場や人間関係の変化など、その人の能力とあっていない環境に入ることで抑うつ症状の出る方もおられます。これもエネルギーを使い過ぎている状態と言えます。このような場合、「環境を変える」「スキルを身に付ける」「生活をシンプルにする」などエネルギーを使わないでいいようにすることで適応でき、回復していかれます。環境を変えて良くなるならそれもいいのですが、難しいことも多いです。カウンセリングを利用して、環境への適応を目指していくことが必要になります。
エネルギーがなくなり動けなくなっている時は休むほかないです。活動し過ぎになりやすい方(強迫的な方や完璧主義的な方)であれば、休息をスケジュールしていくことが必要となります。しかし「自分で作ったルール」は緩める方には守れない傾向が強いものです。「カウンセリングで決めたとおりに過ごしてみて、その結果健康でいられた」ということを経験して、学習しなおしていくことが役に立つように思います。「1日で100%力を発揮してその後1日寝込む」よりも、「1日60%の力で1週間活動できる方が総合的には活動できている」くらいに思えるようになるといいです。これはとても重要なことですが、自分1人ではなかなか出来ないことです。
「スケジュール通りに過ごす」という方法は、活動し過ぎの人が、「あえてゆとりのあるスケジュールで生活して、結果的に健康に過ごせる」という体験を積むことを目的とすることもありますし、物事がおっくうになっている人が、「達成感を得て自発的な活動を取り戻していく」ことを目的とすることもあります。抑うつ状態といっても個々人によって多様で、「それがどのように維持されているかの仕組みの理解と、それを改善させる手段」がカウンセラーの専門性になるように思います。
抑うつ状態にある人のカウンセリングは、カウンセラーとの会話を通してこれまでの自分の基準から離れるプロセスで、比較的多様な方法が役に立つように思います。その中でも多くの研究によって効果が示されているものが認知行動療法で、認知行動療法の中でも「行動活性化法」と「認知再構成法」が上に挙げたうつ・適応障害の特徴に対応しています。
認知行動療法は一定の手続きがあり、再現性のある、現実的で、安心して受けられるカウンセリングの方法です。TRACE高宮のカウンセラーは精神科/心療内科で勤務歴がある、認知行動療法の資格をもっています。通院中の方の相談も受付けていますので、ぜひご相談に来られてください。「無料メール相談」で先に相談されてみてもいいです。1営業日以内にお返事しています。
