カウンセリングの通い方|最適な間隔・時間・回数・期間

カウンセリングの通い方|最適な間隔・時間・回数・期間

 カウンセリングを受けようと思った時に、どのくらいの間隔で通えば良いのか、何回くらい通う必要があるのか疑問に思う方もおられると思います。結論を言うとTRACE高宮では週1回・50分をおすすめすることが多いです。ここではその理由と、他にどんな受け方があるか書いてみます。

カウンセリングの最適な間隔・時間

 カウンセリングを継続される場合、基本的には週1回、出来れば2週に1回頑張って通われることをおすすめしています。理由はたくさんあるのですが、一つは効果の問題です。

 カウンセリングや認知行動療法の効果はこれまで多数の研究で検証されていますが、その多くは週1回50分で行われたものが多いです。つまり、同じ内容のカウンセリングを受けても、それ以上の間隔で行われた場合十分な効果が出るか検証されていません。そして「月1回の方がいい」「30分の方がいい」というような、時間が短い方がいい、間隔を開けた方が良いということは、特にカウンセリングの初期にはありません。お薬で考えるとわかりやすいですが、1日1回飲むと効果が出るものを、2日に1回や3日に1回飲んで同じ効果が出るとは考えにくいはずですし、間隔を空けて飲んだり、より少ない容量にして飲んだ方が効果が出るということはないと思います。

100分や週2回に増やす方はどうか?

 カウンセリングを1回100分や週2回に増やしたほうが効果が出るのかと思われる方もおられるかもしれません。先にあげた効果研究から考えると、時間を延ばしたり頻度を増やしてその分効果が上がることも確認されていません。一方でトラウマ治療や家族療法は90分、PTSDや摂食障害の認知行動療法だと週に2回行うこともあるようです。これは強い恐怖と向き合うカウンセリングになるため落ち着くまで十分な時間を確保する必要があること、複数人から話を聞くため時間を要すること、重症で高頻度のガイドが必要であること、などが理由です。

 TRACE高宮の場合は、こちらから100分や週2回をすすめることはありませんが、ご希望がある場合予約を取っています。何かひどい心理的危機にある場合、精神疾患の発症・悪化して間もない時、休職から復職して間もない時、子どもが不登校になって間もない時、などはしばらく週2回通われることも有効になるように思います。

 ちょっとした情報ですが、臨床心理士などの大学院に行ったカウンセラーは1回50分でトレーニングを積んでいます。1回2時間とか3時間とかでカウンセリングをするカウンセラーは怪しい人かもしれません。

カウンセリングの最適な回数・期間

 何回くらい・どのくらいの期間通うものなのかというのは、個々の悩みごとと達成したい目標によって異なります。例えばスポーツジムに通うことを考えてみて欲しいのですが、ダイエットしたいのか、筋肉をつけたいのか、どのくらい減量したいのか、どのくらい増量したいかによって必要な期間・回数は変わってくるのではないでしょうか。

 何回で良くなるかというのは裏を返せば、何回通って良くならなかったらやめた方が良いか、という意味も含まれていると思います。これについては精神疾患の治療としてのカウンセリングが目安になります。マニュアルに沿うと、うつ病の認知行動療法は16-20回、摂食障害では20-40回まで行うようです。回数は効果が出る目安だけでなく、どのくらいで必要なことを学び終えるか、という目安でもあります

認知行動療法の間隔・時間・回数・期間

  • うつ病   週1回・30分以上・16-20回・3-4か月
  • 強迫症   週1回・30分以上・16回・3-4か月
  • パニック症 週1回・50分・12-16回・3-4か月
  • 社交不安症 週1回・50分・12-16回・3-4か月
  • PTSD    週1-2回・90分・10-12回・10-12週
  • 摂食障害  週1-2回・50分・20-40回・5-10か月

 これまでTRACE高宮で行ったカウンセリングのうつ・不安・不眠など症状の改善への効果を検証したページがありますので関心のある方はそちらも参照されてください。全体的には3-4回カウンセリングを受ける間に6-7割の方に効果が見られるようです。精神疾患のある方の場合少し長く、10-11回が効果が見られる目安のようです。

 カウンセリングは1回ずつ変化が感じられることもありますが、改善したり停滞したりしながら、ある回で大きく変化を感じることもあるようです。5回通う間に効果がみられる、10回通う間に効果が見られると、少し長い目で見てもらえた方が良いと思います。

 ここまで書いたような問題解決のカウンセリングの場合、症状の改善と悩みごとの解消の2つがカウンセリングの効果になります。この順番は個々の問題によって前後しますが、症状が改善してそれから悩みごとが解消することが多いようです。症状は1つの悩みだけでなく複数の要因から影響を受けるため、他の部分が改善することでも良くなることと、症状がなくなると悩みがあっても気にならなくなるという機序があるようです。

 カウンセリングには問題解決だけでなく、自己理解・自分を知るためのカウンセリングもあります。それは、将来について考える、自分について考える、人生を振り返る、自分にとっての真実を見つけることが目的で、困りごとの解消を主目的としたものではありません。時間を掛けるほど自己理解は深まり、何回が適切という目安自体ないのかもしれません。しかし多くの方は前者の症状と悩みごとの改善を目的として来られることが多いです。

間隔によってカウンセリングの内容は変わるか?

 最近の研究では、カウンセリングが効果的になるかどうかは、カウンセラーが前のセッション・これまでのカウンセリングを憶えているかどうかに影響されることが明らかになっています。この憶えているの範囲には、どんな内容の話をした、というレベルから、その時の相談者の話し方・様子・感情などのコミュニケーションの細部まで、その時カウンセラーが考えたこと・感じたことの細部までと幅があります。ある程度の間隔で来てもらえる方がカウンセラーは十分に力を発揮出来ます。

 相談者が次に来るのがいつかわからない場合、カウンセラーからのアドバイスや伝えることも多くなりますし、また来週来るとなると続きを次回にしたり、様子を見たり、相談者自身の自己理解を促す、考える時間・気づくための時間を取ることが出来ます。間隔が変わるとカウンセリングの内容は変わります。

本当の姿が現れる

 カウンセリングは、基本的にはカウンセリングルームで話される相談者の話を基に起きている問題を考えます。相談者自身が問題を把握していることが必要になり、どこを観ればいいか、定期的に通ってカウンセラーにアドバイスをもらうことは役に立ちます。モニタリングと言って、自分の悩み事が起きる場所・その時の思考・行動について観察してくるなどは認知行動療法で良く出されるアドバイスです。これがひとつ定期的に通った方が良い表の理由です。

 起きていることを適切に理解出来ることで十分に悩みが解消することもあるのですが、それではどうも進まないこともあります。

 ジョハリの窓という心理学の話がありますが、人には自分の自覚している領域としていない領域、他人の知っている領域と知らない領域があるそうです。

 カウンセリングに行くとき、誰でも他所行きの自分の姿を纏います。それは社会性のあるちゃんとした良い自分で、人に見せられないこと、悪い自分、本当の性格・本当の欲求など、それが自分にある、自分が関係していることが認めがたいことは隠されています。これは意図的に隠されていることもありますし、悩みと関係ない・話す必要がないと思われていることもあります。無意識にあったり、自分でも気づいていないこともあります。上のジョハリの窓で言う「秘密の窓」と「盲点の窓」に対応するものです。

 そしてそこに大事な問題があることで悩みを維持していることがありますが、それは意識的に把握してカウンセリングで話しあうという流れにはなりません。カウンセリングでその本当の姿が出てくるために、ある程度の頻度、ある程度の期間が必要になることがあります。非常にわかりやすく例えるなら、親密な友人や恋人など、最初は気を使って社交的に立派な自分で振る舞っていたものが、時間が経ち、ある時ふいに、意図したわけでなく本当の自分の姿を見せている、ということに似ていることで、人間的な信頼関係があって起こることと言えます。

悩み事の理解と人の理解

 上の話は悩み事の理解と少し異なり人の理解になります。人の理解のためには話題は悩みごとでない方が良いこともあります。ある程度の頻度で通っていると、悩み事について十分に話すことが出来、時間に余白が出来、ふいに話す中に本当の姿が出てくることがあります。悩みの解消にはその人についての不必要な情報集めは必要ありませんが、本当の姿を知ることが必要になる時もあるということです。

費用の問題

 カウンセリングは定期的に、出来れば週1回通った方が良いらしいということは理解できても費用のことがあり通えない方もおられると思います。TRACE高宮ではカウンセリングを受けるならちゃんと受けてみたい、頑張ってカウンセリングに通ってみたいという人が継続出来るように定額料金で受けられるようにしています。

 以上のような前提があり、週1回か2週に1回通われることをおすすめしていますが、個々によって事情があると思いますので、不定期に予約をされるでも負担のない範囲で来られたら良いとお伝えしています。1回だけ受けたい場合教えていただいたらそのように対応いたします。

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