うつ病の治療は薬とカウンセリングどちらがいいのか

 日本の医療では、精神疾患の治療は薬物療法が中心であると思います。服薬によって生活への支障がなくなっているならそのまま続けるのがいいと思いますが、停滞を感じていたり、納得できずにカウンセリングを希望される方もおられます。

 ひと昔前は、うつ病へのカウンセリングは軽症から中等症までが適応範囲とされていましたが、近年、重症のうつ病であっても薬物療法と認知行動療法の効果には差がないことが示されてきています。

認知行動療法、深刻なうつにも効果 -重いうつにも投薬以外の治療選択肢を示唆-

 しかし一方で、薬物療法は決められた方法で薬を飲むだけでよいため、適応範囲が広く、負担なく継続できるのに対して、カウンセリングは強い意欲低下がある場合やコミュニケーションをとることが難しい状態にある場合は実施できないため、有用性としては劣るように思います。

 薬物療法と認知行動療法は、それらの治療が単体で行われるよりも併用して行われた場合に一番高い効果が見られることが示されています。

うつ病に対する認知行動療法の上乗せ効果─無作為化対照試験─

 当ルームにも精神科/心療内科にかかられている方がカウンセリングを希望して来られますが、効果の点からも治療とカウンセリングは併用されることを推奨しています。

 病院でのうつ病治療は抗うつ薬によるものだけでなく、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬などの薬物療法を用いたり、状態が悪くなった場合には入院治療によって保護したり、診断書を書いてもらい休職したり、障害年金や保険の申請をしたりと社会的な治療も行われます。信頼のできる病院にかかられているとカウンセリングも安全に進めることが出来ます。

 うつ病の薬物療法は、反応率50%、寛解率30%、再発・再燃率50%と思いのほか個人差が大きいことが示されており、カウンセリングにも個人差は見られます。
 薬とカウンセリングを併用して、他に出来ることがないかを探していくことが最善であるように思います。