こんまりメソッドという片付け方法が話題になってる
最近出てきたのかと思って調べてみたら、10年以上前から人気みたい
その片付けの様子が最近テレビで放送されたのだけど、それがセラピーだったと知人から聞いたので見てみた
どのあたりがセラピーなのか書いてみようと思う
こんまり流片付けには目的がある
「ときめく生活を送ること」
片付けは、方法であって結果であるけど、それ自体は目的ではない
「こんまり流片付けをすることで人生が変わる」
今回出演された3人は、「ママ友を気軽に呼べる家にする」「片付けて気持ちをすっきりする」「モデルルームのような家にする」と目標をたてられていた
目的があるからそれに向かってモノを残せるし、目的があるからその状態を維持できるのだと思う
カウンセリングでも短期目標、中期目標とか決めるけど、あれはカウンセリングの達成を評価するものだと思っていた
こんまりメソッドを見ながら、目標を決めるのは、イメージを作って自分の生活を維持していくという意味合いが大きいのかもしれないと考えていた
片付けは、部屋別に進めるのでなく、モノ別に進める
色んな部屋のモノを1部屋に集める
家の中の全てのモノを触って対話するらしい
モノ別ってのはこのメソッドの特徴で、興味深い
残すときの基準は、「今ときめくもの」
触った時の感覚で選ぶのだけど、これがこれまでのものを捨てる基準と違い、難しいみたいだった
「残す」と「捨てられない」は客観的には同じ現象だけど、違いは、触った時の今のときめく感覚ということになる
そうすると残ったモノはポジティブな感覚を引き起こすモノたちなので、新しい生活での体験はポジティブなものになっていくのだと思う
この方は自分が好きじゃないものを残してることに気づいたけど、きづかなかったらどうなるんだろう?
「これもこれもこれもときめきます!」みたいな人は、ときめく感覚をもう少し弁別出来るように訓練するのかな
「ときめき9点以上のものを残してください」とかいって相対化するかな
片付けには順序があるらしい
最初に衣類を片付けるのは、ときめく感覚を身に付けるため
最後を思い出にするのは時間がかかるため
服だって本だって書類だって小物だって、思い出と言えば思い出のような気がするけど、それらが片付いた後に残ったものから思い出を片付けるということなのかな
この辺の戦略とか、セラピーを進める順序ももうちょっとちゃんと考えてやらないとなあと、ふと自分のカウンセリングを振り返っていた
そういえば伊藤絵美先生は、まずCBTをしてスキーマ療法に入るって強調されてたな
二人目に出演された方は中学生の時にひきこもりの時期があったらしい
その時のものが捨てられないみたいだった
「あんだけ頑張ったことを無しにしていいのかい?っていう感じ」と言われていた
モノが捨てられない理由は2つ
「過去への執着」と「未来への不安」
最終的にはひきこもり時代を過ごした部屋を整理されて、「何年後かに見ると頑張ったなと思うかもしれないけど、未来へ連れて行きたくはない気がする」と言われていた
「この人たちから今の千絵さんに何か言ってる?」
カウンセリングっぽいクエスチョンだ
モノに感謝をして手放されていた
手放すときの寂しさや悲しさの感覚に対して、感謝の感覚という拮抗反応を作って制止をかけるのと、別れや喪失というコンテクストから、見送りや弔いという新しいコンテクストを作って手放しやすくなったのかな、とか考えていた
最後は思い出の品
3人目の方は学生証の写真を見て過去の嫌なエピソードを思い出していた
残すか手放すか悩んで、今は残すことにされた
アルバムに挟んで、大事な娘のへその緒と一緒に、宝箱に入れることにした
この学生証の体験をこの方はまだすっきりと処理できなかったのかなと思う
なので、入れ物に入れて、置き場所を決めて、勝手に出てこないように位置づけた
フォーカシングのクリアリングスペースとか、イメージ療法とかでもこういうことをしてた気がする
「つらかったのは今の私じゃなくて、何年か前その日その時の私がつらかっただけで」
「今はつらくない」
途中泣いたりされる場面もあって、1回のレッスン時間を5時間とってるその辺の構造の堅さもミソだなあと思った
3人出演されて、そのうち2人は、過去の体験があって今の片付けられない状態があり、過去の体験が処理されて片付けが出来た、というコンテクストだった
もう一人は過去のエピソードはなく、片付け始めて9か月目に入ったと言われてた
トラウマティックな体験があって片付けられないとか、うつ状態とか、ため込み症があるとか、潔癖症があるとか、片付けられない状態のメカニズムの違いがあると思うけど、同じ方法で進むものなのか気になる
特に片付けが終わった後にどのくらい自分で維持できるのか
「今のときめく感覚」というモノを残す新たな基準を身に付けるのがこんまりメソッドの一番のポイントのように思った
興味深い映像だった