怒りの感情へのカウンセリング

怒りのカウンセリングについて読んでいたので書いてみます

怒りや苛立ちをどうにかしたいとカウンセリングに来られる方はおられます

うつ、不安/緊張、不眠、強迫、妄想などは精神科でもみるメジャーな精神症状です
それぞれが主要な症状となる精神疾患はありますが、怒りが主要な症状の精神疾患はないように思います
言い変えると正常から異常まで、怒りは広く見られる問題とも言えます

怒りに悩む時は、怒りの表出が社会的な問題を起こしている時が一つです

認知行動療法では怒りの仕組みをシンプルにABCで考えます
「A何をきっかけに、Bどんなことを考え、C怒りを感じるのか」
または、
「A何をきっかけに、B怒りを感じ、Cどんな表出行動/対処行動/回避行動をとるのか

ABCの中で変えられるのは、きっかけとなる出来事、思考、行動です
怒りに悩んでいても、怒りは感情なので結果的に変わるものです

怒りの仕組みが理解出来たら、
まずきっかけとなる出来事を減らし、
思考が怒りを引き起こしていれば柔軟にします(認知モデル)
相手に対して不適応的な表出方法であれば他の行動に置き換え、(代替行動モデル)
怒りを収める回避行動をとっていれば、止めるか他の行動に置き換えます(回避行動モデル)

怒りを起こす出来事のテーマは大きく2つです
「対人関係での不当な扱い」と、「目標が妨げられる出来事」です
これが現実的に起きているなら減らすといいです
減らせない、もしくは心理的な部分が大きいのであれば思考や行動を変えることになります
そして上の2つのテーマは思考ときれいにわけることも難しいものです

認知モデルでは、怒りを起こす思考が柔軟になれば怒りは起きにくくなると考えますが、この説明は多くの方が納得いくのではないかと思います
思考の背景には、「他者への期待」や「守るべきと決めているルール」があることが多いです
相手が自分の基準と異なることに怒りを感じ、それから全体に評価をひろげることでさらに怒りを感じます(「最低な奴だ」「いつも~だ」など)

代替行動モデルでは、不適応的な行動は、同じ効果を持つ他の行動に置き換えられるなら、そちらを使うようになるという考え方です。これまで大声を出していた所で、「やめて欲しいと伝える」などです。これも多くの方に納得がいく説明と思いますし、そう出来たらと望む人も多いと思います。前もって計画を立てて実行することがコツです

回避行動モデルでは、怒りを不安や恐怖と同じ仕組みで考えます
怒りの後にとる行動が怒りを低減させているために、結果的に怒りが不快なものとして残り続ける、と考えます
後にとっている行動を止めて、怒りを感じられるようになると、結果的に怒りが起きなくなっていく、と考えます
こういったことは意外と多いのですが、この仕組みの説明は理解は出来ても納得できない人も多いと思います
なので、最初はカウンセラーが計画して、後で種明かしをする、という進め方がいいように思います

このモデルの名前は今作ったものなので、文献を読んでまたリライトしてみようと思います


怒りを起こしている出来事や思考が自然な範囲なのか、そうでないのかの区別は大事です
怒りというのはある時に必要なものなのです

正常な範囲の怒りであれば、怒りに対する2次感情を問題としたほうがいいことがあります
怒りを持つ自分に対する、恥、罪悪感、自責、などです

怒り→恥、罪悪感、自責

認知療法のベックは、「怒りが問題となる人には低い自尊感情の問題がある」と言っています
怒りは社会的な問題を起こしやすいため、不適切なものと捉えられやすく、抑制されやすいです
2次感情が問題である場合に怒りを問題としてすすめると、カウンセリングは停滞します
基本的に、「何かを失くす」というだけが目標のカウンセリングは停滞します


さらにいうと、怒りが2次感情である場合もあるのですが、それに気づくことはもっと難しいです
不安、恐怖、緊張、心配、憂うつ、などに拮抗する感情として怒りは生じます

不安/恐怖/緊張、心配、憂うつ→怒り

長期化していると怒りが回避感情として機能していることもあります
怒りを感じているいると、他の感情を感じなくていいのです

怒り→(不安/恐怖/緊張、心配、憂うつ)

こういった場合、怒りを問題とするか、1次感情を問題とするかになりますが、そこは本人の希望に沿うことになります

何にしろモニタリングとカウンセリングでの報告をしながら、問題となる怒りの仕組みを見ていくことから始まります

怒りは思考を混乱させ、敵意を感じやすくなるなど判断力を鈍らせます
他の感情と比べても瞬間的に起きており、モニタリングも難しいことが多いです

何のためにカウンセリングを受けるのか、何のために怒りの問題を解消したいのか、目標設定をして、進んだり進まなかったりする時間に耐えられることも重要になります


怒りと関連する思考は以下のようなものです

  • 妨害されている
  • 目標が妨げられている
  • 不利益を自分にもたらしている
  • 大切にされていない
  • 相手が間違っている
  • 相手は意図して行っている
  • 責任は相手にある
  • 相手は自分に対して悪意を持っている
  • 耐えられない
  • ~しなければならない
  • ~すべきことだ
  • ~して当然だ

怒りの仕組みがわかり、とりたい行動が決まれば、これまでの行動と、これからとる行動のメリットデメリットを考えることが役に立ちます
理想的な人やモデルをイメージして、同じように出来たと思うことも新しい行動を定着させます

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