「自分で治す社交不安症」まとめ

カウンセリングルームに来られる方は、仕事や社会生活を送れるくらいに健康な人が多いので、必然的に社交不安に悩んでおられる方も多いです

おすすめの本ありますか?と聞かれることがあるのですが、一般向けの本はほとんど読んだことがなくあまり答えられないでいました

最近kindle unlimitedに久しぶりに入会して、この本を見つけたので読んでいました

社交不安症の認知行動療法を一般の方が自分で出来るように書いたもので、マニュアルに沿っているので内容は詰め詰めなのですが、読みやすい本です
一般向けの本を聞かれたら今度からこれをお勧めしようと思います
kindle unlimitedで無料で読めますよ

ということでいつもながら書き残してみます
後半はエクササイズなので省いて、前半の社交不安症の説明部分中心です


社交不安症は、人に接する場面で強い不安を感じてしまい、人前に出たり、人と接することを避けてしまう病気です

不安症とは、必要以上に過剰な不安を感じてしまい、悪いことが起きると怯えたり、不安を感じる行動を避けたりしてしまう病気です

社交不安症の人は、相手が、自分が緊張していることや不安になっていることにすぐに気づいて、相手からバカにされるとか、相手から嫌われてしまう、など最悪の場合を常に考えてしまいます

ちょっとした雑談が苦手というケースもあります

自分は話下手で、つまらない話しか出来ないと思っているので、相手に呆れられているのではないか、つまらない、おもしろくない人間と思われているのではないかとくよくよ考え非常に苦しんでしまいます

「自分が変だと思われている」と考えている人もいます。自分の服装やしぐさがおかしいので、他人に笑われたり、気味悪がられていると感じるのです

大勢人がいる所で一人だけでいることも苦手です。「友達がいないから一人でいる」と思われるような気がするのです

社交不安症の根底には、「他人に自分が不安であることを気づかれないように、人前では上手に振舞わなくてはならない」と言う強い思い込み(中核信念)があります

社交不安の人は、対人場面では自動的に「悪いことが起きる」とネガティブな発想をしてしまい、「緊張している様子を他人に悟られてはいけない」「人前でうまくふるまえないのは劣った人間だ」と必要以上に自分を厳しく追い込むような考え方をして、増々人と接することに不安を覚えるようになる悪循環に陥っています

ネガティブな発想のもとにある「緊張した様子を他人に気づかれてはいけない」「話し方がうまくなくてはいけない」という思い込みを信念と呼びます

不安を感じる場面で、安全を最優先する行動を安全行動と呼びます

不安を和らげるために必要な、役に立つ行動だと考えているのですが、長期的に見ると、ますます不安を大きくしている不適応行動なのです

社交不安の人は他人より自分に注意を向けてしまっています

自分がどう見られているか?自分はどう思われているか?という想像に注意が向いていたり、自分の声の震えや顔の熱さの感覚に注意が向いていることが多いです

自分に注意を向けるとよけいに不安が増大してしまいます


社交不安症の治療は難しく、ちゃんと診断がなされて、ちゃんと訓練を受けたエキスパートがカウンセリングをしても、治ったと言える状態までいけるのは50%とかです。薬物治療はもっと低いですし、自然治癒も難しいことが明らかになっています

個人的には改善をわけるポイントは、自分の症状に違和感を持てるかのように思います
「そんなはずないのにこう思ってしまう」「そんなはずないのにこうしてしまう」と思えるかが重要で、そのためには疾患のメカニズムについて説明を受けたり、こういった本を読んだりが役に立ちます

特に、自動思考、自己注目、安全行動、などが重要タームなのですが、この本でもわかりやすく書いてあります
症状に違和感を持てれば、どの部分が改善できるのか、何をしていけばいいのか、わかっていきます

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