「開業心理臨床/私設心理相談をめぐるオンライン・セッション「スキルと覚悟とマネジメント」」というとても長いタイトルのセミナーに参加してみました
全4回の2回を見た所です
いつもながら書いてみます
「プライベート・プラクティスの実務を⽀えるもの」
1回目は代々木心理相談室という所の栗原先生という人が発表されてました。「個人開業で35年目、ホームページはない、お客さんは基本紹介だけ、オンラインはやらない」のだそうです。一事例として聞く分にはいいけど、参考にはならないかな
「今,開業⼼理相談の可能性を考える」
2回目は原宿カウンセリングセンターの信田先生です。名前は前から知っていたのだけど、初めて話を聞きました。データもあるし、めちゃおもしろかったー。箇条書きですが書いておきます
- 原宿カウンセリングセンターは年600人くらい新規が来る
- DV加害者、被害者、心配者という分類
- マスコミから紹介がくる
- 学校や福祉から紹介はほとんどない
- 疾病でなく加害-被害のパラダイムを取り入れている
- スーパービジョン収入、研修収入でなく、カウンセリング収入で維持していく
- グループは儲からない
- 家族4人来るとスタッフが4人付く
- わたしは毒親という言葉は使わない
- 今の臨床心理士は倫理違反を怖がり過ぎている。怖がり過ぎると社会に出ていくことが阻害される
- 弁護士リファーはとても多い
- わたしの心理臨床は苦しい山には登らない
- スタッフに対立があっても共存できるように全体を作っていくのがわたしの仕事
- わたしは機能不全家族という言葉は使わない。どの家族も機能は不全と思う
- 再養育という考え方はしない
- わたしは自己肯定感という言葉は使わない
- 守秘義務はクライエントのためにある。事例は私たちのことを書いてくれたと思われる書き方をする
- 治療契約や治療構造という言葉は使わない
- 共依存とは相手をケアすることで弱者化される支配
- 権力とは振るうものでなく相手が感じるもの
- 良いカウンセリングセンターとは。責任者が紙媒体で書いてるかどうか
- 医療が混合診療になってくると、自費診療でやってるカウンセリングが優れる
- グループになると専門家権力が平準化するのが良い
- グループでは「わたしだけ」と思っていたのが、自分自身を過小評価、過大評価していたのが、世の中に仲間がいるんだと思える。これに勝るものはない
信田先生の考え方は触れたことがないもので、新鮮でおもしろい。僕は医療機関にいたので医療寄りの見方なのだけど、開業では医療と違うパラダイムで問題を見ることを主張されてました。原宿カウンセリングセンターは新規申し込み年間600人とめちゃ多いと思ったけど、スタッフ10人みたいなので、スタッフ1人なら月5人で、うちと同じくらいと知りました。途中で責任をとることの話があったけど、責任をとるとはうまいことやってのけるということなんだなーとか思いました。