職場で新入職員にむけて精神療法について講義した
精神療法について語るなんてとても恐れ多い感じだけど、じゃあ誰がやるって言ったら心理士がするのが妥当か
昨年までなかったテーマだったので1からスライド作ってなかなかの重労働
カウンセリングと他職種の日常臨床の相違点と共通点とかまとめる
やってること自体は似ているけど、カウンセリングには設定や構造があるということとその意味を力説する
主に河合隼雄のカウンセリングの実際問題の丸写し笑
最近マイブームの人間性中心療法についても盛り込む
疑問に思ったのは理想と現実の不一致について
本ではよく見るんだけど、これは誰が言ったことなのか、ロジャーズなのか?
中核3条件や6条件はかなり繊細な話なのに、理想と現実の不一致の話は漠然としていると思うし詳しい出典を見たことがない
とりあえず中核3条件の自己一致とは異なる概念だと思うんだけど
中核3条件についても訳語が錯綜していて、実際の所ロジャーズが何を示そうとしていたのかわたしはまだ知らない
- unconditional positive regard
(無条件の積極的関心、無条件の肯定的関心、無条件の尊重) - Empathy
(共感的理解) - Genuine
(自己一致、誠実さ、純粋さ、温かさ)
ロジャーズが最も重視したのはGenuineであり、Genuineを他の2条件の必要条件と考えていたらしい
そしてGenuineの訳語も錯綜している
河合隼雄も東山紘久も「純粋さ」と訳しているので、今の所純粋さが最も有力
多くの人が誤解していると思うけど、純粋さというのはカウンセラーの性格とか人間性とか、カウンセラーが思ったことをそのままクライエントに開示するとかそういうことではない
カウンセラーの中に起こる気持ちは何でも取り上げることを示す
自分の体験に開かれた態度であって、この辺りからフォーカシングが生まれたのではないかと思う
そうすると、自分に起こる気持ちに何でも気づいたとして、それからカウンセリングをどうするのかという疑問が起こらなくもない
ロジャーズが3条件を思い至った時はすでに技法論から離れていたと思うので、カウンセラーが何を言うかはすでに問題にしてないんだと思う
自己一致してないことはカウンセリングを阻害する問題だけど、自己一致していることは特別取りあげられる問題ではないという感じかと今の所思っている