最近勉強してるUPの研修が、今年はオンラインで受けられるということでさっそく申し込んだ
理論とモジュールは頭に入っているのだけど、今回の研修は「実際どのように行うのか」デモンストレーションが見れるということが楽しみだ
NCNPは毎年CBTのちゃんとした研修をしていて気になってはいたのだけど、とにかく場所が遠くて参加できなかった
それがなんと自宅で受けられます
いずれVRが普及した時は、自宅で会場さながらの研修が受けられるようになっていくんでしょうね
この研修動画は全部で12時間もあるのでぼちぼち見ながらいつも通り感想を書いていきます
講義編とデモンストレーションにわかれます
Table of Contents
うつと不安への認知行動療法の統一プロトコル エッセンシャル入門研修 講義
診断横断的アプローチの背景
- 「エビデンス」「臨床家の専門性」「患者の価値観」の3つが重なるものがエビデンスに基づく実践です
- うつ病患者の半数が不安症を併存しています
- ピュアな不安症だった人の半数が、5年後になるとうつ病を併存します
- モジュールは、感情曝露までで10セッション使い、感情曝露で6セッション使います
- 各モジュールの焦点は、「モニタリング→思考→行動→身体感覚→感情」と移ります
- UPを受けると終了時50%の人が改善し、6か月後は60%の人が改善しています
- 初回セッションのテーマは、「感情障害の心理教育」「UPの心理教育」「記録の付け方」です
- UPでかかる時間と労力について、9から18週間かかることを説明します
方法のオリエンテーションとか、どのくらい良くなることが期待できるかを伝えることは重要なように思う。ちなみにTRACE高宮のホームページも、どんな悩み事にどんなことをするか、どのくらいの期間でどのくらい良くなることが期待できるか、目安を書いてます。
感情の心理教育
- モジュールの焦点は、「感情の本質→感情の3要素→感情体験の流れ→学習された行動」と移ります
- ARC(きっかけ→思考、感情、行動→短期的、長期的結果)の理解は他のモジュールを削っても重要で、5、6セッションかかる人もいます
- 感情はある状況に置かれていることを教えてくれているシグナルです
- 感情はヒントであって、事実ではありません
- 行動と、短期的、長期的結果を考えることでシュミレーションの力が付きます
不安を下げるのでなく、行動の選択が出来るようになることが目的、と言う所で合意をとれるかが重要だと思う。3要素のセッションでは、感情体験の流れをつないで説明していたのだけど、ここまで進めるものなのか?疑問だった。疑問だったと言っても正式な研修なので正しいのだろうけれど。感情の構造への気づきが目的なのなら、ARCのセッションまで感情体験の流れはつながない方がいいのではとも思うのだけど。つまり、感情は必ずしも思考に従属するものでもないし、行動を起こすものでもない。思考、行動、感情はどの順序でも同時にも起こると言うことを知ることが重要に思うのだけど
感情への気づきと認知的再評価
非断定的な現在焦点の気づき
現在焦点
×昔こんなことがあった〇昔のことを考えている ×将来…が起きたら〇将来のことが気になっている
非断定的 価値判断しない
×危険だ〇ドキドキしている ×パニックが起こる〇怖いな
認知的再評価
絵を解釈する課題。この絵のどこからそう解釈したのか?を問います。絵を使って別の解釈をひねり出す再評価の練習をします
感情回避と感情駆動行動
- 回避や感情駆動が感情へ与る影響を知ります
- 感情駆動と逆の行動をとります
感情回避
感情に向き合わないようにする行動 「感情回避→感情」
- 状況でなく感情を回避していないかが重要です
感情駆動行動
感情のままにとる行動 「感情→感情駆動行動」
- 回避、感情駆動をしていると生活環境が狭まります
回避や感情駆動行動は新しい学習を妨げます
- 順化が起きません。感情への慣れが起こらず、忍耐力が養われません
- 消去学習が妨害されます。刺激→反応の消去が起きません
- 認知変容の機会が無くなります。「大丈夫」と思えるようになりません
- 感情駆動行動と反対の行動をしていきます
身体感覚への忍耐力
- 身体感覚はサインではあるが、有害ではありません
内部感覚曝露の種類
- 過呼吸
- 細いストローで呼吸
- 回転
- その場走り
- エクササイズの後はその感覚を味わうように伝えます
- 朝の音に過敏な不眠症の患者さんでは、車やバイク、ドアの閉まる音、缶を捨てる音をyoutubeで見ることで内部感覚曝露を行いました
感情曝露
- 二次感情は認知が作り出している感情です
- 曝露課題前は、予想される苦痛、思考、気持ち、行動を書いていきます
- 「変な目で見られる→心配される」と再評価しました
- 制止学習に基づくと事前の再評価はしないようです
自分用のメモ書きにしてはかなり少ないので、だいぶん頭に入っていたと思う。ARCのコラムを使うと感情体験の細かい流れを問題にしなくてよく、うつと不安で変わりないフォーミュレーションができることが有益な気がした。わたしの場合うつか不安かで大きく介入を変えるので、悩み事はうつか不安かの区別にだいぶん時間を使っていた。エクササイズとして認知変容も曝露も体験しておくという方法もあるのだな、というのが一番勉強になったかな。
次回デモンストレーションに続きます