UP臨床応用編「第17章 統一プロトコル 今後の方向」

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不安とうつの統一プロトコル 診断を越えた認知行動療法 臨床応用編

 今日も読んでいきます

治療要素の分解

 マニュアル化された治療とモジュール形式の治療の最も重要な違いは、プロトコルに含まれるスキルがどの程度相互依存的か、自己完結的かという点です

 マニュアル化された治療では治療スキルを教える順番が極めて重要です。モジュール形式の治療では、スキルは相互依存的でなく、それを教える順番に柔軟性があります

 モジュールの研究では各モジュールの「感度」と「特異度」を明確にする必要があります

 特定の領域で特定のモジュールを実施した時に限り変化を生みだせるか(感度)、特定のモジュールが標的とするスキルの変化が標的としないスキルよりも大きな変化をもたらすか(特異度)です

 マインドフルネスと認知的柔軟性が特異な変化(標的領域のみでの変化)を生むのに対し、心理教育と感情行動の変容はスキルの各領域にまたがる広範な変化につながることが示唆されました

 次の段階の研究として、症状に基づいてモジュールの順番を変えても有効な治療であるかを調べることが求められています。症状を標的とするモジュールと、強みを標的とするモジュールのいずれかを割り当てることを考えています

 その目的は、最も問題を抱えている領域に関するスキルの治療から開始するのと、強みの強化から取り掛かるのと、どちらが効率を最大化出来るかを明らかにすることにあります

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