精神科医学会で長野に行ってきた

病院からの学会発表で、2泊3日で長野県まで行ってきた

毎年誰かが発表に行ってるけど、例年一人しかいけない

長野という秘境に心を惹かれたわたしは、誰にも譲らないぞと立候補した

交通宿泊費、参加費が経費になって、さらに休んでも勤務扱いになる

常勤で働いていて本当によかったと思える瞬間

1度行くと何年も回ってこないけれど

ホテルで朝食も出るし、ランチョンで昼食も出る

頑張れば手出しなしで旅行に行ける

もちろん夜は自腹でおいしいもの食べますけどね

事前に観光地を見るけれど…有名所はどこも駅から遠い

上高地、猿がつかる温泉、松本城、どこも電車ではアクセスがなく、車でも2時間近くかかる

駐車場からも結構歩く

せっかくなので群馬の草津温泉に行こうかとも思ったけど、時間と往復の費用を考えると…

ということで今回の旅は(仕事は)観光はあきらめて食べ物を楽しむことにする

長野と言えば、馬刺し!

馬刺し大好きなんですよ

去年熊本に行った時に生まれて初めてものすごくおいしい馬刺しを食べた

普段食べようとしても真空パックされたものか冷凍されたものしか食べる機会がないので、産地に食べにいけるということはとても楽しみだ

食べ物をリサーチして、馬刺し、桜鍋、信州サーモン、信州そば、日本酒はマストだと決める

発表の都合でわたしは前泊することになったので、今週は週休5日だった笑

朝も早くに新幹線を予約して旅立つ

途中名古屋で1時間待ちだったので、前から気になっていたスガキヤに行く

こんな味かあ…

魚粉が効いておいしかった

長野につき、ホテルに荷物を置き、お風呂に入ってもまだ夕食には早い

学会のイブニングセミナーに参加してみる

「うつ病発症の脆弱性とレジリエンス」という内容だった

残業時間が1日平均3-4時間を超えるとうつ病の発症リスクが上がるらしい

具体的な期間とかカットオフが明確な研究っておもしろいなと思った

あとは共分散構造分析を活用して養育環境、性格、ライフイベントとうつ症状の関連を明らかにされていた

共分散構造分析、懐かしい…

学生の時に使ってた

研究室の大先輩が使っていて、その分析をしたいがためにわたしも研究計画を組んでた笑

性格としては神経症傾向と循環気質が重要とか言ってたかな

当たり前のように思える結果だけど、養育環境の影響が性格を媒介することが明らかだと治療のしようがある点を強調されてた

あとは発揚気質がレジリエンスになるみたいで、これは養育環境や虐待との関連も見られてないホットな概念みたいだった

そんなこんなでイブニングセミナーが終わり夜の町へ

信州そばと信州サーモンが食べれる店を見つけたので歩いていく

信州サーモンはいつも食べるサーモンとさほど変わらなかったけど、若干さっぱりしてる気がした

そばはさすがにうまい

つゆは甘め薄めで、どっぷりとそばを浸して食べる

日本酒の〆にはもう抜群に合う

板前さんに聞くと、桜鍋は長野で流行ってるわけではないらしいのであきらめることにした

店を出てぶらぶらと歩きまわる

さっきの店で馬刺し食べたんだけど、明らかに真空パックの馬刺しだったので食べなおすことにする

一通り歩き回って良い店を見つけた

「門前酒場山里」というお店

結局この店には連日お世話になることになる

馬刺しの3品盛りと日本酒をオーダーする

馬刺しはもう、めちゃくちゃうまかった…

さっきの店とは大違い

1500円出すとおいしい馬刺しが食べれるということです

熊本では赤身、霜降り、たてがみだったけど、長野ではヒレ、霜降り、ハツだった

一人じゃなかったらもっとあれこれ頼むんだけど…

隣に座ったおいちゃんは見るからに食通みたいで、店員さんにジビエを尋ねて熊を頼んでた

ジビエって言ったら猪ぐらいしか知らなかったけど、この店は熊、兎、雉、鴨、鹿と豊富にある

食べてみたいけど…一人で食べるにはちょっと高いのと、もうお腹いっぱいなのでお会計

いつものセブンのアイスコーヒーを片手にぶらぶらとホテルに戻る

2日目

午前は見るものがないので、昼前にポスターを張りに行きあとは時間をつぶす

午後からicd-11のシンポジウムに参加

icdって6章が精神疾患で、その他の章は精神疾患じゃないことをいまさら知る

発表があるので途中で抜けてポスター会場へ

座長付きのポスター発表って今回が初めての経験

見てると、発表者を中心に2メートルくらい離れて丸く聴衆が囲み、質問とか出ることもなく座長と質疑をして終わっていくものらしい

わたしの番も同じようにつつがなく終わる

終わった後1人質問をくれた

仕事おわりー!ということで自由時間

まだ夕方なので何しようかと迷う

グーグルマップを見るとバスで10分くらいの所に善光寺という観光地があったので行ってみることにする

結果をいうと、ものすごいよかった…

わたしは奈良の東大寺が好きなんだけど、東大寺を小さくしたような雰囲気

途中赤い帽子をかぶったお地蔵さんが並んでて、そこも何とも言えない空気を感じる

外観もいいけど、本堂の雰囲気がすごい

パワーを感じる

善光寺、長野駅からも近いしお勧めです

観光も終わり夜になったので迷わず昨日行った山里に食べ残したものを食べに行く

桜ユッケ、桜なめろうと日本酒を頼む

ユッケうまい…

馬肉のユッケ生まれて初めて食べたけど、こんなにうまいのか

〆にそばを食べてホテルへ戻る

3日目

食べ物はもう満足で、長野に思い残すことはない

食費で1万円使っちゃったので、明日から節約生活だー

午前は精神科の標準化治療のシンポジウムに出る

ガイドラインは確率論で、治療の前提条件であることを強調される

患者が自分で決めていくためにガイドラインに沿った治療がある、ガイドラインには再発、再入院、副作用、死亡率、QOLなどまだ確認されてない部分もある、治療は薬物だけでなく心理社会的支援が並行して行われることが前提、DSMは研究のために使われるもので、臨床的に使うことは目的でない(診断にあてはまる人を選出するために使うもので、人の診断を決めるために使うものではないということだと思う)、など話されてた

印象的だったのが、発表者の先生のフロアへの返答

抗精神病薬の単剤化が本当にいいのかどうかとフロアから問われると、「単剤化を推し進めながらも、自分も多剤併用をすることはある」と答えられていた

とても真摯な先生だと思った

学会参加って発表内容も大事だけど、著名な先生を見に行くという楽しみ方もあるなあとか改めて考えた

EGUIDE講習会っていうガイドラインに沿った診断と治療のプロジェクトがあって、今は統合失調症とうつ病の標準的な治療について全国で講習をしているらしい

EGUIDEプロジェクト

精神科にはガイドラインに沿った治療って根付いてないみたいですね

心理士はなおさら標準的な治療について知っておくことが重要だなあとか考えていた

心理士がEGUIDE講習に参加できるのかは不明だけど、見学ならさせてもらえるんじゃないかなと思う

ランチョンセミナーまでの空き時間に検索してると、戸隠神社っていうパワースポットがあることを知る

行こうかと心が揺らぐ

5社巡りをすると、時間的に1日コースみたい

いけないなー、死ぬまでにまた来よう

ランチョンセミナーは「抗不安薬、睡眠薬の功罪」に出る

医者ってデータを基に発表するから見ていて楽しい

最近批判されるばかりのベンゾジアゼピン系抗不安薬のメリットを、研究を基に話される

ベンゾを服用すると高齢者の認知機能低下するし、アルツハイマーの発症を高めるって結果が以前出てたけど、最近はむしろ服用したほうが認知症になりにくいってデータが出始めてるとかだった

この辺は臨床疫学なのではっきりとした結果もメカニズムも出てないらしい

あとは、モーズレイガイドラインではパニック症、社交不安に対してベンゾの救急的な使用が推奨されてるらしい

あとはうつ病治療にも3週間までは有効とか話されてる途中で電車なので部屋を出る

実は今回の旅の終わりにわたしは1大イベントを入れていた

名古屋で乗り換えをするので、竹内成彦さんのカウンセリングを受けに行く予定を入れていたのだ

続きは次回書こうと思う

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