谷晋二先生の、「ASDの人へのACT」の講演を見てきたので書いてみようと思います
アクセプタンス&コミットメント・セラピーという割と新しめの心理療法があって、日本ではいくつか情報のメッカがあるみたいです
例えば同志社の武藤先生は慢性痛とか認知症介護者を対象にされていて、谷先生は自閉スペクトラム症の人を対象にされてるみたいです
わたしはACTってのは教科書的にしか知らないのだけど、行動分析が苦手としていた部分の、私的体験や言語行動を補えるみたいでえらい流行ってるみたいです
「不快感はそのままにして、大切なものへ向かう」というの大まかな目標で、いろいろなエクササイズをするみたいです
今回の講演の中心は「ACTマトリックス」というツールで、あまり日本では使われてないみたいです
講演のメモ書きですが、いつもながら書き残していきます
- ACTマトリックスでは、「向かう行動/離れる行動」「マインドの体験/ビデオに映る行動」の2軸から4領域に行動をわけます
- 左下の不快なマインドの体験があるときに、右上の向かう行動に移ることを促します
- ASDの人へのACTは全部で6ステップあります
- ステップ1に6から11セッションかかります
- どれがマインドでどれが行動か、どっちが向かう行動でどっちが離れる行動かの弁別は難しいです
- セッションでは、マインドと目に見える行動の短期的・長期的効果を関連付けていきます
- 体験を言語的に記述することがACTのコアスキルです
- 興味のないことをすると行動が広がります
- 正しい方を選ぶのでなく、選択することが大事です
- 「短期的にどうだったか」「長期的にどうだったか」「大切なことに近づいたか」を尋ねます
- 感覚や感情、認知のトラッキングを徹底的に行います
- 何に気づいたかでなく、気づく行動を作ることが大事です
- 報告されたことに対してセラピストはいいねと言いません
- 「どうだったか」「どんな感じがしたか」「それは何につながっているか」を聞きます
- 「発達障がい」などの自己概念にはandを使って関係づけをしていきます
私的体験を言語行動に置き換え、言語行動から行動にターゲットを移す、そして気づきを基にして感覚や感情などの行動内在型の随伴性を作っていく、ということを徹底的にやるのかなと思った
これって3コラムの、状況、思考、感情をモニタリングしてコラムに記述するのと似ている
違うのは何を目的としているかで、認知療法は3コラム以降で感情の主観的な変化を促し、ACTは行動の変化を促していることになるのかな
でも認知療法でも短期的な結果とか長期的な結果とか、メリットデメリットとか聞くから、やっぱり似てると思う
途中で話されていた、「興味のないことをすると行動が広がる」と言うのは興味深い話だった
ASDの人の特徴とされる興味関心の限局やこだわりを考慮すると、興味関心にそった行動では生活が広がらないのだと思う
ASDのあるうつ病の人への行動活性化とかもそんな工夫をしたほうがいいんだろうか?
教えてもらったビデオを見ると、「興味のないことの中に興味のあることが見つかる」というようなことを言われてた
この辺の細かい話を聞いてみたい