池見陽先生が傾聴のセミナーを開くと言うことで参加してみました
ジェンドリンからフォーカシングを教わったことで有名な先生です
九大心療内科を作った池見酉次郎先生は親戚とのことです。
九大病院と言えば精神分析と行動療法の歴史があるのですが、心理ではパーソンセンタードとフォーカシングも細々と続いています
フォーカシングは広く言うと体験過程療法というものです
イメージや動作法も体験過程療法で、ユング派の言うイメージとは違います
2日に渡るセミナーは講義とワークで構成されてました
またメモを書き残してみます
1日目
- ロジャーズのカウンセリングと日本で広まっているロジャーズのカウンセリングは違います
- 傾聴は英語ではListening(聴くこと)
- 自己一致は言い換えると本物であること
- Regardはまなざし
- 無条件の肯定的なまなざしを言い変えると認めること
- ロジャーズは自分らしい応答をするようになれと指導していました
- ロジャーズはテクニックを嫌っていました
- 感情の反射でなく理解の試みです
- ロジャーズは理解のために応答していましたが、後に自分の話をするようになっていきました
ロジャーズの3条件を正しく訳すなら、「本物であること、無条件の肯定的な眼差し、共感的理解」になるようです
扇形Listening
講義の後は扇形リスニングというワークでした。池見先生考案なのか?クライエント役が1人、セラピスト役が3人で、セラピストは一言ずつ交代してカウンセリングを勧めていきます。ワークの方法は興味深いのだけど…セラピスト役の人がおおよそワークを理解してない。フォーカシングということで感情体験を追っていくのだけど…普段のカウンセリングと照らし合わせると不自然過ぎるなーという感想です。
感情だけを追うって方法は不便すぎるように思います。例えばCBTの3コラムでも感情を明確化していくのだけど、状況、思考、感情を循環的に追っていって、そうして悩ましい感情は何なのかが明確化されます。状況がわかれば感情もわかるし、思考がわかれば感情がわかる。
体験すれば変容するというのもそれだけが方法だと不便に思います。状況が変われば感情も変わる、思考が変われば感情も変わる、行動が変われば感情も変わるものです。
Q&A
- ロジャーズは、あなたとわたしは別のものと捉えていました
- ロジャーズはプログラムでなく人間関係を通してわたしは変わると考えました
- 共感的理解と応答の仕方は切り離します
2日目
- Felt meaningとfelt senceは同じです
- 言葉になっていないがうすうす感じているものを指し示すと、それが意味になる。その全プロセスが共感です
- ロジャーズは、共感はフォーカシングだと再定義しました
- ロジャーズは無意識論を持っており、ジェンドリンは持っていない
- 体験過程は体験→表現→理解でサイクルします
- どんな体験も何かを指し示している。その原因でなく、それが何を必要としているかを尋ねます
共感とは応答でなく「共感のプロセス」という所と、体験の原因でなくそれが何を指し示しているかを尋ねると言う話が興味深く思いました。
アニクロ
アニクロといって、「自分が動物だったら」と言う所からイメージを広げていくワークです。で始まったのだけど…参加者が選んだのはオームです…鳥でなくてナウシカのオーム…それ動物じゃない笑。そしておしゃれなカフェから参加されてて音が聞きずらい。打ち合わせとかなしか?そしてうまくいってるのかどうか微妙な感じで終わりました
終了
フォーカシングは本を読むと興味深いのだけど、実践はなんか回りくどい感じなんだなというのが感想です。クライエント役の人はフォーカシングに慣れてるのでフォーカシングっぽい応答をするのだけど、実際のカウンセリングでそんなふうに会話が成り立つのか?微妙です。ワークとして一部に入れる分には良いように思いました。
池見先生はネットで見ると怖そうに見えるのだけど、実物は穏やかで優しそうな人だと知れたのが良かったです。せっかく池見先生みたいな日本きってのセラピストがでてくるのだから、それなりに著名なベテランと池見陽のデモンストレーションの比較をされたら盛り上がるんじゃないかと思いました。というか池見陽のデモンストレーションと書いてあったから参加したのだけど