エキスパートに学ぶ精神科初診面接 「抑うつを呈する女性」を見た感想

この1か月、楽しみにしていた本がついに発売された

 

何より楽しみにしていたのはこの書籍が動画付きというところ

岡野憲一朗、大野裕、中村伸一、松木邦裕といった著名な精神科医の初診面接のデモンストレーションが見れる

購入するとパスワードがついており、医学書院のホームページからログインできる

ウェブ動画ログインページ

この本、5000円近くするというなかなかのお値段なので、病院で買ってもらった

サラリーマンやっててよかった(´;ω;`)ウッ…

届いた本をかっさらい、5時ダッシュで家に帰る

うつ状態、パニック障がい、ひきこもりの3つの事例があるので、順番にうつ状態の事例から見る

演者は岡野憲一朗、大野裕、中村伸一

岡野憲一朗のデモンストレーション
岡野先生の声は力強い。面接は最も悪い部分のアセスメントを積極的にされていく。自殺、自傷、過食嘔吐や躁転といった最大限のリスクを予測していく。共感的な言葉は最小限に、ピンポイントに無駄のない質問を繰り返していく。「今まで何人と付きあいましたか」のようなプライベートな質問も果敢にされる。言語は質問、ラポールはうなづきや会話の内容を外さないことでとっていかれる。共感的な言葉は、2,3回もあったかなというくらい使わない。後半になるとパーソナリティや対人関係の持ち方といった最も極端な状態を引き出していかれる。ストレスがかかると自虐的なパーソナリティ障害傾向が露になると見立てられた。

大野裕のデモンストレーション
大野先生の声は優しく温かい。来談経路や来てみた印象を聞くところから始める。細かい情報は聞いていかない。わずかに思考や自責の話題が出るがそれも深く聞かず、初回はサポーティブに、いい関係を作ることに徹されていた。最後に簡単な見通しを伝え、ポジティブな感想を引き出された。岡野先生とは異なり、病理を重く捉えなかったのだと思う。薬剤も出さずに様子を見ることにされた。
わたしも初回で病院に来た印象とか、病院の小さな秘密とか話すことがある。わかり合える感じがもてたりするので、患者が緊張している時とかおすすめ。

中村伸一のデモンストレーション
お名前は昔から聞いたことがあったけどなかなか学ぶ機会がなく、動く中村先生を初めてみた。中村先生も来談経路から始める。緊張をほぐすためか大事な話だからかはわかりにくい。家族構成は詳しめに。父の死因や妹の家族構成まで。関係のとり方は、一緒に話し合う感じ。「大変だね」とか砕けた言葉も混ぜながら。書籍の方に書いてあったけど、軽視されたと捉えないかどうか、ボーダーラインのアセスメントの意味もこめていたらしい。家族療法家だからだと思うけど、家族の話が多くて患者の話は少な目。最後に見通しを伝えられる。自分ではカウンセリングを担当しないという前提だったみたい。
わたしは問題を個人の病理としてとらえがちなので、こんなに家族のこと聞いたことないなーと思いながら見ていた。

書籍ではこの後に藤山直樹から3者へのコメントが載っている。精神分析学会会長の藤山直樹から認知療法学会会長の大野裕へのコメントとか、こんなこと出来るんだって感じΣ(・□・;)

同僚?後輩?の岡野先生へのコメントは厳しめだった笑

藤山先生が書くには、受診の動機をきいて、患者が医療をどのように使おうとしているのか、薬が欲しいのか助言が欲しいのか、家族を呼んで話してほしいのかなどつかむことが大事。それとパーソナリティの見立て。こちらの介入や提案を患者がどう体験するかにつながるので大事とのことだった。

わたしが気になっていたのは、事例が2,3年働いて体調を崩すということを5,6回も繰り返しているところだった。何で2,3年経って体調が崩れるのか気になったけど、誰か聞いていたかな…あまり重要じゃなかったのかな

続きは後日up

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