カウンセリングには無料のものから有料のものまである
東京だと1セッション1万円くらい、田舎だと5000円くらいが相場
奥田健次先生は3万6千円とかいう噂があるけど、さすがにそこまではとれないなと思う
わたしの職場を始め医療機関では診察とセットで無料にしているところが多い
大学病院で働いていた時も、患者がカウンセリングだけ受けに来た日は処方医が診察を付けに来ていた
同じ週に診察があれば何の手続きもなく患者は帰っていった
カウンセラーはカウンセリングの見返りに何を受け取っているか
カウンセラーはカウンセリングを提供する見返りに、料金、感謝、専門家としての経験や成長などを受け取っていると思う
しかしカウンセリングをして感謝をされることもあればされないこともある
専門家としての経験や成長を感じられることもあれば感じられないこともある
確実に受けられる見返りは料金のみであるが、それがそもそもないとしたらカウンセラーはただただ疲弊するだけで何も得るものがない
フロイトは、カウンセリングが成り立つかどうかは患者がお金を払えるかどうかだと言っていた
これだけでも無料のカウンセリングというのは成り立っていない
無料であるということは患者への影響もあるしカウンセラーへの心理的な影響もある
患者への影響としては、無料で話を聞いてもらっているので思ったことが言いにくいというのがあると思う
無料だとカウンセリングの価値が下がるので治療への動機づけが十分に高まらないというのもある
用事が出来たと平気で休む人もいる
逆に無料で話を聞いてもらえるのならといつまでも受け続ける人もいる
次にカウンセラーへの影響
感謝をされるどころか不満を言われたりすると、もう少し有り難いと思わないものかと苛立ってしまうわたしがいなくもない
あまり気が進まないケースというものが出てくる
自分のやっていることに何の意味があるのかと考えてしまう時が出てくる
患者が料金を払い、カウンセラーが料金を受け取るという治療契約が成り立っていれば、不満を言われても休んだり遅刻されたりしてもそこに治療的な意味があると考えるゆとりが生まれると思う
個人差があるので、何も思わない人は思わないと思う
ただ、無料であることに何も思わないということは、プロとしてどうなのかなと思う
無料でカウンセリングを提供するということは、専門性の安売りをしているように思う
最近はコミュニティアプローチとか流行ってるのもあって治療契約や治療構造と言われてきたものがなくなってきている気がする
スクールカウンセラーの紹介で病院に来る親御さんには、学校の相談の延長のように思ってる人がいる
時間外に電話をしてくる親御さんもいるし、それを平気で受ける心理士もいる
医療は、教育や福祉と違って当たり前に誰でも受けられるものではない
そこに明確な線引きをするのが料金だと思う
もう一つ問題がある
患者が料金を払い、カウンセラーが料金を受け取るという構造について書いたが実際はそうでない
患者が料金を払うようになったとしても、料金は病院や機関が受け取るのであってカウンセラーは料金を受け取らない
つまり料金を払えば患者側の心理的な影響はなくなっても、心理士側の問題はなくならない
心理士はサラリーマンなのである
もう少し心理士の待遇が良ければ、ゆとりをもっていいカウンセリングが出来る人が増えるのではないかと思う
年収1千万もらったとしたら、無料カウンセリングであってもカウンセラーに不快感は起きにくいと思うが、それはそれですでに別の問題が起きてるとも思う
クライアントからお金を受け取って、責任をもってカウンセリングに取り組みたいと思うことが独立したい理由としてある