「公認心理師法の主治の医師の指示に関する見解」を読んでみる

先日から話題になっている「公認心理師法第42条第2項に係る主治の医師の指示に関する運用基準についての見解」を読んでみる

今回の文書は精神神経学会から出されたもの

こういうときって、心理系大学院で働いている医師ってどんな気持ちなんだろうかと気になる笑

公認心理師法第42条第2項に係る主治の医師の指示に関する運用基準についての見解

主治医の「医行為」と公認心理師の「支援行為」とを混同して要支援者に混乱をもたらす

確かにブラインドにして行為だけ見ても、この人が医師なのか心理士なのか、医行為なのか支援行為なのかって見分けられないと思う

カウンセリングをとって見ても既に医師は、通院精神療法とか精神分析療法とかで診療報酬を得ているので、後から入ってきて何を主張してるんだと思う医師もいないではないと思う

ちなみにわたしは患者から、診察とカウンセリングは何が違うんですか?と聞かれたことが何回かある

これはわたしが症状の軽減を重視しているので医師と同じようなことを聞いてるってのもあると思うけど、患者への説明としては、「悩みごとが症状に影響していることがあります。悩みを軽くするのがカウンセリングです」みたいな説明ですぐに納得される

自分は精神療法でもって治してるって思ってる医師は少ないと思うので、今の所患者が混同されたことはない

医師は薬を出す、心理士はカウンセリングって分類は何となくの共通理解だと思う

というか医師も「心理士さんのカウンセリングを受けてください」って説明されてると思う

「診察でもカウンセリングでも同じこと話すけど、カウンセリングでは詳しく話してる」って言われてる人もいたので、患者からしたらそんな違いなんだと思う

保健医療の現場だけではなく、どの現場であっても、健康や傷病の問題に遭遇する際は「主治の医師の有無を確認」することは基本的な情報収集である

全うな意見だと思う

ただ、わたしが個人事業主としてカウンセリングを始めたときに、病院の医師が相手をしてくれるのかというと微妙だと思う

カウンセリングルーム開いた時に紹介状作ったり依頼したりとかその辺今悩んでる

法人化したら違うんだろうけど

しばらくはクライエントを介して許可もらったりやり取りするのがいいかなと思ってる

公認心理師でないにしろ医師の指示は受け付けるし、連携が必要なら連携も受け付けますって態度を見せるのは普通の事だと思う

主治医がカウンセリングを許可しないとしたらそれなりの理由があると思うし、どうしてもカウンセリング受けたいから病院変えるってのもクライエントの自由になると思う

医師って忙しいのでカウンセリングに関心を持つ人いないし、カウンセリングの内容についてなんか言われたことってないけど

「主治の医師の有無の確認に関する事項」に関して 。「支援行為」を始める際に、要支援者が拒否する場合だけ確認できない事もやむをえない

医師の指示に関する議論が絶対的なものでなく、何をスタンダードにするかを決めようとしていることをよく表していると思う

措置入院とか医療保護入院とかはあれだけど、薬を飲ませることだって患者の同意なく行うことは難しい

反対に心理士が直接患者に行う行為に関して、そこまで緊急で責任を問われることって思い当たらない

ふと思ったけど、医行為が問題になる時は「適切な処置をしなかった時」を前提としていて、支援行為が問題になる時は「勝手にいらんことをしてしまった時」を前提としているんじゃないかな

簡単に考えると、薬を出して悪化するよりも、出さずに帰らせてしまって悪化するほうが大変なこととされるんじゃないかと思う

「主治の医師に直接連絡を取る際は、要支援者(略)の同意を得た上で行う」という記載について。「支援行為」は主治の医師の指示により行われるものであるから、要支援者(略)との連絡について要支援者の同意は必要としないものである

同一機関内であればこの前提はいいと思うけど、機関を跨ぐと難しくなりそうな規定

医師も忙しいのでそんなにすぐに連絡とれるものでもないと思うけど…

守秘義務を超える基準って明確にすることが難しいし、カウンセリングの中でのことであればなお更難しい

患者が死にたいって話したらすぐに医師に連絡するってのは違うと思うし、リスクをとらずに安全に進めるのも大事だと思う

緊急の場合はあるとおもうけど、そんなに普段医師に報告しないといけない事って思い当たらない

反対に、患者の同意をもらってないから医師と話せないってのもそれはそれで不便だと思う

「(指示への対応について)主治の医師の治療方針とは異なる支援行為を行った場合」、「(略)当該支援行為に関する説明責任は、公認心理師が負う」という記載。この記載は、医師法、公認心理師法を逸脱する場合が予め想定されている

指示を受ける、指示は受けない、が重要になる所

この規定によって、心理師が自分の判断で動いた時の責任が心理師としてのものになるのか、個人としてのものになるのかがわかれると思う

指示を受ける、になってた場合は全面的に個人の責任になるし、指示は受けない、になってた場合はケースバイケースになる

「公認心理師が所属する機関の長が、(略)主治の医師と異なる見解を示した場合」という記載について。標記の場合でも、主治の医師の指示を受けなければならない、と明確に記載するべきである

どこで働いていても心理師は医師の指示を受けなさいという規定

他領域をまたぐとどうなるんだろうか

福祉だと所長とかいるし、産業だと社長とかいる。どんな問題が起きるかは想像できないけど

全体を読んで、あまり医師と関わることのない職場の人からすると理解しがたいのかもしれないけど、医療機関で働いている身からするとそんなに驚くことではないと思う

個人的な経験を基にして反対意見を出している人もいるけど、それはちょっと違って、これは医師という集団と心理士という集団間の話

心理士と言っても今年資格を取る1年目の心理士から、臨床歴何十年のベテラン大先生まで含むし、医師と言っても精神科に入局して意欲的に取り組んでいる研修医もいれば、全く違う畑でやってきて老後は近所の精神科で働いてみようと思い至って勤務している医師まで全て含む

あとやっぱり思うけど、医師と心理士の待遇が違い過ぎるのに仕事に関しては対等に話をするってのは難しいと思う

わたしも就活するときにいろいろな所の給料みたけど、大学病院とか特にひどくて時給800円とかで心理士募集されてた笑

わたしは公認心理師受けないのであまりコメントしてもあれだけど、試験問題とかにも関わると思うので大変だと思った

公認心理師受けるみなさんは頑張ってください

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