「3章 不安症への統一プロトコル」まとめと感想

不安とうつの統一プロトコル 診断を越えた認知行動療法 臨床応用編

「不安とうつの統一プロトコル 臨床応用編」を読んでるので書き残していきます

不安症の特徴

  1. 驚異に対する強い感情反応
  2. 未来に対する過度の心配
  3. それらがもたらす回避的な行動です

治療に際して大事なことは、変わること、変わらない事のメリットデメリットを考えることです。変わることのデメリット、変わらない事のメリットもきくことが重要です

気分誘導エクササイズ

 不安や緊張といった様々な感情を喚起する曲を選びます。気分誘導エクササイズの目的は、感情および感情の3要素を、現在に焦点をあてて観察できるようになることです。心を落ち着かせるエクササイズでも、音楽をマインドフルに効く練習でもありません。

UPでは様々な感情障害、とりわけ不安症に共通する2つの思考の落とし穴を標的とします

  1. ネガティブな出来事が起こる可能性の過度の予測
  2. それが起きた場合の破局視

思考には適応的なプロセスと不適応的なプロセスがあり、本人には見分けにくいです

適応的な思考プロセス

 意図的で、マインドフルで、慎重に考えられた構造化された活動

不適応的な心配プロセス

 コントロール不能で反復的なものに感じられ、それ以上の感情的動揺を避けたいという欲求から生じるもの。心を乱す思考から気をそらすか、苦痛で恐れている結果を防ごうとすることによって感情的動揺を避けること

4種類の感情回避

  1. 明らかな状況回避
  2. 微妙な行動回避
  3. 認知回避
  4. 安全信号の利用

微妙な行動回避

  • 何かを始める前にリストをつくる
  • 他の人を先に行かせることで注目の的にならないようにする
  • 繰り返し時間を確認する
  • 冗談をいう、など

認知回避

  • 不安から気をそらすためにテレビを見る
  • iPadを操作する
  • 本を読む
  • SNSをチェックする
  • 自分に「大丈夫」と言い聞かせる
  • 自分を安心させる言動を人に求める
  • 運転中に音楽を聴く、など

安全信号

  • 恋人
  • 不安になった時に気をそらせるためにいつもリュックに入れている本
  • 携帯電話
  • 抗不安薬を持ち歩く、など

内部感覚曝露

目標は、不安や恐怖といった激しい感情に関連する身体感覚への忍耐力を養うことにより、感情に対する回避、気そらし、抑制といった不適応的な行動を減らす

身体感覚エクササイズ

  • ヒーターの前で氷を握る
  • 床に寝て胸の上に本を積む
  • 首にスカーフをまく
  • タートルネックのセーターを着る
  • 過呼吸
  • 回転
  • その場走り
  • ストローでの呼吸、など

感情曝露

 感情が生じる状況に、徐々に、繰り返し向き合っていきます。不安、恐怖、困惑、安らぎなどのポジティブな気持ちに耐える課題も含まれます。「苦痛な感情に耐えられること、困難な状況にうまく対処できること」を学びます。感情曝露によって不安や恐怖が軽減するのはよくあることですが、それは主目標ではありません。主目標は、「感情をありのままに体験し、その状況に則した実際的な行動がとれるようになること」です


 いろんなエクササイズがあるのだけど、エクササイズの前に、症状を対象化出来ていることが重要なのだと思う。話題にしたり、シートに外在化したり、症状を十分に対象化してから、近づいたり、離れたり、制御する感覚を得ていくことで良くなるのだと思う

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