看護研究で認知行動療法を教えることになったのは、その後も続けている
とはいっても週に1回20分くらいしか時間を作れないらしいので、教えるのもなかなか至難の業
行動活性化療法の方が習得できる可能性はあるので、そっちから教えることにした
1回目のワークで気分と行動の記録をしてもらって、2回目は快行動を増やしてもらって、3回目は回避パターン(TRAC)の置き換えをした
回避パターンは、詰所をでて左に行くと苦手な患者さんに捕まるのでいつも右に出ている、とかだった
もっと突き詰めると、その患者さんに捕まった時に切り上げれずに話を聞き続けるってのが回避パターンだと思う
そんなこんなで行動活性化療法のレッスンを最短で終えた
そして認知再構成法
行動活性化療法は割とシンプルだけど、認知療法は話術がいるのでこの期間でマスターするのはとても無理だと思う
やりたいというのでとりあえずツールの使い方を教えることにした
わたし自身は認知再構成法を知ってからカウンセリングのアウトカムは間違いなく上がったと思う
日頃から随所で使うことがあるので、唯一人に教えることが出来る技術と思ってる
せっかくなので認知再構成法で陥りがちな間違いと使い方のコツを書いてみることにする
まず、頭から順番に7コラム書き進める人がいるけど、大事なのは状況、気分、思考の3コラムをいかに変容可能な形で取り出せるかだ
これが出来るとその先の反論や反証が驚くほど自然に出てくる
というよりも、その先の反論や適応思考の算出に進むかどうかは3コラムで問題を把握するまで決まってない
コラムを書き始めたら最後まで書かないといけないわけではない
そこでとらえた問題によっては他の技法に切り替えることもある
よくあるのが状況が思考になっているという間違え
わたしの場合状況はかなりシンプルに切り取る
よく言われるのが、その場面を写真に撮って言葉で説明する感じが状況
いつ、どこで、なにをしている(なにがあった)、で書き出す
疾患別の自動思考の研究とかあって、パニック症では状況に身体感覚を入れたりするらしいけど、わたしはパニック症の人にコラムを書いてもらった経験がない
参考にするならこの2冊
次に気分に関して
気分を1つしか書かない人がいるけど、気分はあげられるだけ挙げる
憂うつ、落ち込み、不安、ソワソワ、ドキドキ、イライラなど、あげられるだけ挙げて0-100で点数化する
悩ましいのは思考でなく気分なので、複数あげていると自分がどの感情で困っているのかが後から明確になったりする
ちなみに認知療法はうつ気分に対しての効果が一番なので、不安が主であれば他の技法に移ったりする
不安だと認知再構成法を使わないということではないけど…その辺は経験というか
次に自動思考
この切り取り方が成果を決めると思う
特に重要なのが、言い切り型で取り出すこと
「~だろうか」とか「~じゃないか」、ではなくて、「~だ」と取り出す
最初に意識に上った思考をそのままの形で取り出し、そしてそのままでなく明確にしてから扱うことが大事
「それは何を意味するか」「そうだとしたらどうなると思っているのか」「何が起きると思ってるのか」などを明確にする
言語化されているものは既にマスクされているので、そのままでは認知変容の効果が出ない
いかに感情を喚起する形で自動思考を取り出せるかが大事だ
ちなみにスキーマという概念があるけど、自動思考との違いがよくわからないのでわたしは気にしてない
自動思考に関しても0-100で点数化する
これは伊藤絵美先生がやってたのをまねしたけど、しない人もいるみたい
わたしは思考の変化も体験されるといいと思うので、点数化した方がいいと思ってる
この時も少しコツがあって、「どのくらい強く思うか(確信度)」でつけてもらうときと、「その言葉をどのくらい正しいと思うか(論理的に)」でつけてもらう時がある
どのくらい正しいと思うかを聞く時はすでに介入として使ってるときもある
認知再構成法って重要な技法だけど、特化した本とかって出てない
今の所一番おすすめなのはジュディスベックの認知行動療法実践ガイド
認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで 第2版 -ジュディス・ベックの認知行動療法テキスト‐
なんで後ろ向きなんだ笑
この本程丁寧に解説してあるものはないと思う
あとはCBTセンターの西川先生がむかーしにブログで書いてた2ちゃんねるにつぶやくシリーズで勉強した
2ちゃんねるの認知行動療法関連スレについてあれこれつぶやく。
これはもう事例集みたいなもので、読むだけ実力がつくと思う
わたしは全部読んだ
認知再構成法がうまくいかない時は、コラムの書き方を知らないまま続けてるというのが多いと思う
一度書き方を覚えたらかなり使える技術になる
わたしは特別人に教わってはないけど、本を読んでブログを読んで実践してたらそこそこ出来るようになると自信をもって言いたい